老人保健施設で介護士として働くということは、多くの一般的な職種からすると特殊な仕事です。常に人間を相手にするということが珍しいですし、介護士のように他人の生活の1部になる仕事はそうないでしょう。特殊であるため、気をつけなければいけない点がいくつかあります。

施設利用者と一定の距離を保つことは、その1つでしょう。老人保健施設では、介護士は利用者と毎日何度も顔を合わせ、会話をします。その過程で利用者と介護士の間で人間関係が出来上がることは珍しくありません。利用者と仲良くなること自体は悪く無いのですが、一定のラインを超えるとトラブルに発展します。
例えば、毎日会話をするうちに子供の入学の話をしてしまい、利用者が気を遣って入学祝として現金を用意してくれた、という事例があります。利用者との金銭のやり取りはトラブルに発展しかねないので、介護施設では厳禁です。そのため、介護士は利用者に対して、プライベートをさらしすぎてはいけないし、相手のプライベートを探ることもしてはいけないのです。

自分自身の問題としては、ゴールを持つということも重要になります。介護士の仕事は楽な仕事ではありません。いくつもの人生に直接影響する仕事なので、精神的に負担になります。その上人材不足ゆえの肉体的疲労も大きいです。ただ給料を貰うためだけにやっていたら限界はすぐに来るでしょう。
明確なキャリアプランとゴールを持って日々を有意義に過ごすことで、苦しさも乗り越えることができます。